eDiscovery(電子情報開示)とは?監査との違いと、今の画面
2026-10-29 更新約6分で読めます
最終確認: 2026-10-28 Purviewの全体像に戻る
30秒で復習
- eDiscovery=調査や訴訟のために、メール・ファイル・Teams の会話などを、探して・保全して・確認して・書き出す機能。 調査は「ケース」単位で進める。
- 監査=「誰が・いつ・何をしたか」の操作の記録。 eDiscovery が「中身」を扱うのに対し、監査は「行動」を扱う。
- 2025年8月末に昔の画面(クラシック)は終わり、コンテンツ検索・eDiscovery(Standard)・eDiscovery(Premium)は新しい1つの eDiscoveryにまとまった。昔のコンテンツ検索は「Content search」というケースの中にある。
- 監査ログの保存期間は、Audit(Standard)で180日。E5 などの Audit(Premium)では主なログが1年(追加ライセンスで最長10年)。期限を過ぎたログは戻せない。
- 覚え方:「監査は足あと、eDiscovery は書類。足あとは180日で消える」
こんな場面で出会う
- 退職者や調査のために「あの人のメールを探して保全して」と頼まれる
- 「誰がこのファイルを削除したか」を調べたい
- 「半年以上前の操作を調べたい」と言われ、ログが残っていないことに気づく
用語の正式名称と読み方
| 用語 |
読み方・正式名称 |
意味 |
| eDiscovery |
electronic discovery、電子情報開示 |
調査・訴訟のために電子データを探し、保全し、書き出すこと |
| ケース |
case |
1つの調査をまとめる単位。対象者・検索・保全・レビューを入れる |
| 保留 |
hold、リーガルホールド |
調査対象のデータを、本人が消しても消えないように保全すること |
| レビューセット |
review set |
集めたデータを確認・絞り込みするための置き場(Premium の機能) |
| 監査ログ |
audit log |
ユーザーや管理者の操作の記録 |
| 統合監査ログ |
unified audit log |
Exchange・SharePoint・Teams・Copilot などの操作をまとめた監査ログ |
質問:eDiscovery と監査は何が違う?
答え: 監査は「行動の記録」、eDiscovery は「調査対象の資料」。両方を組み合わせて調べることが多い。
| 機能 |
主に調べるもの |
例 |
| 監査 |
操作記録(誰が、いつ、何をしたか) |
ファイルのダウンロード・削除・共有、メールボックスへのアクセス |
| eDiscovery |
コンテンツ(メールや文書の中身) |
対象者のメールや資料を探して、保全・確認・書き出す |
- eDiscovery で行った操作(誰が何を検索・書き出したか)も、監査ログに残る。
- Copilot への質問と回答も、監査ログと eDiscovery の対象になる。
質問:今の eDiscovery の画面はどう変わった?
答え: 2025年8月31日にクラシックの画面が終わり、新しい eDiscovery に1本化された。既存のケースや検索は、そのまま新しい画面に引き継がれている。
| 昔(クラシック) |
今 |
| コンテンツ検索 |
eDiscovery の中の「Content search」というケースに入っている |
| eDiscovery(Standard)・(Premium)が別の画面 |
1つの画面。E3 も E5 も同じ画面で、E5 では Premium の機能(レビューセットなど)が使える |
| PowerShell で検索結果を書き出し |
書き出しの PowerShell のパラメーターは廃止。画面か Graph API で行う |
質問:監査ログはどれくらい残る?
答え: 既定は 180日。それより前の操作は、ログが消えていて調べられない。長く残すには、ライセンスと保存ポリシー、または自前での保管が必要。
| 種類 |
保存期間 |
必要なもの |
| Audit(Standard) |
180日 |
多くの Microsoft 365 プランに含まれる |
| Audit(Premium) |
Exchange・SharePoint・OneDrive・Entra の記録は1年(ほかは180日) |
操作した人に E5 など(または追加ライセンス) |
| カスタムの保存ポリシー |
7日〜10年(10年は追加ライセンス) |
Premium のライセンス |
- ポリシーやライセンスを変えても、変える前のログには効かない。必要になってからでは遅いので、先に決めておく。
- 長く残したいときは、Management Activity API などで自社の保存先に書き出す方法もある。
具体例
| 場面 |
どうする |
| 退職者のメールを、調査が終わるまで残したい |
ケースを作って、対象者のメールボックスと OneDrive を保留にする |
| 誰が共有フォルダーのファイルを消したか調べたい |
監査ログで、そのサイトの削除の操作を検索する |
| 1年前の操作を調べたいが、ログがない |
Standard は180日まで。今後のために、保存期間とライセンスを見直す |
関連メモ
確認したいこと
- どんな調査(退職者・不正・訴訟)に備える必要があるか
- 対象データが Exchange・SharePoint・OneDrive・Teams のどこにあるか
- eDiscovery を操作する担当者の権限(役割グループ)は決まっているか
- 監査ログを何日分残す必要があるか。今のライセンスで足りるか
参考資料(Microsoft公式)